自分の仕事（75日目　2024/09/17）

やらないほうがいいかもしれないけれど、やってしまうこと。どうしてもやらずにはいられないこと。細かくやってしまうこと。なんとなく、ができないこと。それが自分の仕事なんだと思う。それは「もうかる」とか「稼げる」とか「役にたつ」とかではなく、自分の喜びがそこにあるということなのだ。

やもすると、義務に近い。やりたいかどうか、よりも、やらなくては気が済まないというか、やらないことにできない、と言う感じだ。目を瞑れない。さけて通れない。避けてしまうと、ずっと気にしてしまう。そういうもの。だから、もう、やるしかない。やりたくないとか、やったほうがいいとかではなく、やるしかない。仕方ない。そんな感じで始まる。それが僕にとっての、仕事。

それをやることで、穴が埋まるというか、やっと責務を果たした感じになる。それは「充実」と言われることかもしれないが、それはあくまで他人から見たら、であって、充実感とはまた違う気がする。責務だ。だから、やるべきことをやったって感じだ。でも、そこには喜びは遅れてやってくるかもしれない。仕事をした、という喜びだ。だから、それは仕事かと言われたら、その喜びでもって、仕事だと返事するような感じだ。

つまり、僕は本をつくるという作業が好きなんだと思う。自分で書いて、自分で作る。デザインについては、かなり自信がないし、やっかいなんだけれど。それでもつくるという工程が好きなんだと思う。

よく、自分さがしとか、適職診断、のような文脈で、小さい頃に好きだったものを思い出して、みたいなことがあると思う。それで言えば、僕は保育園で泥団子をつくるのが好きだった。園庭のなかでも、いい粘土質の土がある場所が決まっていて、それを掘り当てるところから始まり、ちょうどいいくらいに水と土を混ぜ合わせ（つまり配合だ）泥をつくる。その粘性もまた重要なファクターなので研究しがいがある。それを日陰で一晩乾かす。この乾かすポイントも、大人や他の子供に壊されないように、場所選びが重要だ。1個だと心許ないので、複数個作っておく。自信のある1個、そしてサブ。それから、大きさを変えたバリエーションや、遊びがある団子。全部で5個くらいつくれればいい。それが日が落ちる前にやりきらなくてはいけない。翌日乾いたものに、サラサラの砂をかける。この砂も一種類だけではなくて、複数種類かける。粒度の粗いもの、細かいもの、それらを交互にかけていく。いい泥団子は、ツヤツヤしている。見た目がいいものは、いい泥団子だ。そもそも、いい泥団子とは何かというと、滑り台から転がしたときに、強くて割れない泥団子だ。そう、完成したら、滑り台から転がすのだ。

中には、すごくよくできたと思っても、一発で割れてしまうものもある。乾きが甘かったり、強度がたりないと、滑り切る前から割れてしまうものもある。これぞ、という一品ができたときの恍惚感ったらない。

この工程をぼくは一人でやっていた。誰にも邪魔されたくない。一人でやるのが好きなのだ。

どうだろう、今の仕事スタイルとほぼ一致している。こういうことが僕はずっと好きなのだ。でも、これを適職診断の文脈で読み取れ、なんて言われても、わかりっこない気がする。振り返ってみれば、確かにそう、くらいにしか参考にできない気がする。

とにかく、僕は、こういうことが好きで、自分で書いて、自分でつくって、さらに、売るのが好きなのだ。やっぱり本をたくさん作った方が、いい仕事になる気がする。なので、どんどん書いて、どんどん作ろう。